私は大学のときに家庭教師のアルバイトをしました。
教えた生徒は中学2年の女の子でした。
その子が高校受験して卒業するまでの2年間、週1回、1回当たり2時間、科目は英語と数学という内容でした。
生徒の特性と課題
その生徒の学校での成績は中の下くらいで、決して頭のいい方ではありませんでした。
こういう子にはまず勉強の面白さを教えて、勉強を好きになってもらわないと成績は伸びないと思ったので、そういったメンタルを養ってもらうのが最初の私の任務だと感じました。
その子は一人っ子で甘やかされて育っているのが目に見えてわかりましたし、思春期の難しい年ごろでしたので、少し大変でした。
最初の数か月は勉強そのものよりもまずは、お互いうまくやっていけるよう、二人でいる時間を好きになってもらえるよう、その場を楽しく過ごすことに気を使いました。
具体的には話題をいろいろ出して、どんな話が興味があるかを探りました。
その生徒の仲のいい友達の話を聞いたり、学校の行事の話を聞いたり、少し時間が経ったらお互いの好きな男の子の話にも触れるようになりました。
生徒の心をつかむ
そのうちに、その子が一番興味があることが、おしゃれや流行であることがわかりました。
その子を喜ばせるために、折を見てファッション雑誌に特集されているような話をしたり、その子の髪型やアクセサリーを褒めてあげたりしました。
また、日曜日にはバイト抜きでその子と会い、デパートに連れて行って洋服売り場でブランドとその商品について教えてあげたこともあります。
その子は一人っ子だったので、お姉さんが出来たみたいで嬉しそうでした。
そうしてお互い打ち解けて、少しずつ信頼もしてもらえるようになったので、いよいよその子に勉強の面白さをわかってもらうための働きかけの段階になりました。
勉強への心構えを伝える
家庭教師のバイトは実はこれが初めてで、何もうんちくがあるわけでもなかったので、私自身が小さいころに実兄から教わった勉強に対する心構えをそのままその子に伝授しました。
実際、私は兄から授かったこの心構えを小さいうちから実行し、ポンポンと効率よく楽しく勉強することが出来て、そのお陰で現役で国立大学に入れたと思っています。
私がその子に伝えた、実兄からもらった心構えは以下のたった2点です。
英語だけは頑張ること
将来進学するとき、文系でも理系でも必ず英語の試験があるし、他の科目より採点のウェイトも大きいので。
さらに、社会に出てからも英語は絶対使うので、いくら勉強しても無駄にならない。よく理解して好きになるまで、真摯に頑張ること。
赤ペンを有効に使うこと
強調線はこれ一本だけ。多色の蛍光ペンの使い分けは手間がかかって勉強が面倒になるだけなので使わない。
特に覚えたい用語や単語や年代だけ赤で下線を引く。
あとで何度も下線を引いた部分を見直す。
黒い文字に赤い線、このシンプルなテキストがスッキリして頭に入りやすい。
辞書にも一度調べた単語には赤線を引く。
だんだん辞書の中の赤の部分が増えていくのが楽しくなるので。
この2点を繰り返しその子に伝えました。
やがてその子にも心構えの意図をわかってもらえるようになり、何も言わなくてもそれを実行してくれるようになりました。
その子の英語の成績はグンと伸び、何よりうれしかったのが英語を一番好きになってくれたことでした。
また、赤ペンの有効的な使い方も全教科に功を奏したようで、2年後の高校受験では、なんとか志望校に合格してもらうことが出来ました。
現在の日常生活に満足していますか?
アルバイトは新たな自分を発見できる場です。
ツラいこと・大変なこともありますが、その経験こそがあなたの糧となります。
そして、一生付き合える友人や人生のパートナーにも出会えます。
あなたの明るい未来に向けて、新たな一歩を踏み出して見ませんか?
